想像もしなかった!からだは「捻れて」縛られる、、
6月 17, 2016 9:40 am
痛みなどの不調や、関節の動きの制限、脳卒中後遺症の体の動きにくさなどに、大きく関係している原因として、からだの「捻じれ(ねじれ)」があります。
見た目で、体が傾いていたり、背中がまるくなっていたり、猫背になっていたりと、前後や左右で見られる姿勢はなんとなくわかりやすいと思います。
ですが、水平方向(体を輪切りにする面)の「捻じれ」については、見た目だけでなく、動きとしてみても、非常にわかりにくいのです。
わかりにくいのですが、この「捻じれ」は関節周りや胴体(体幹)だけでなく、体のいたる所で利用されたり、逆にこの働きに苦しめられたりいます。
人間は、この「捻じれ」の働きを使えるので、他の動物よりも、より効率よく、より無駄がなく、最短の動きが可能となります。
ですが、この働きは、体を守るときにも、体のある部分、あるいは体全体をしばりつけて、「固定」するように使うこともできます。
トップレベルのスポーツ選手の動きを見ると、これほどダイナミックで複雑な動きを使いこなせる動物は、人間以外にはほとんどいないでしょう。
他の動物は、走るのが速い、力が強い、など何かの能力に特化していても、その能力に特化するための構造(骨格・筋肉の発達など)になっています。
人間は進化の過程でこの、よりダイナミックに使えて、応用力の高い身体を手に入れたのですが、この能力を十分使いこなせている人は、現代人にはほんの一握りしかいません(さきほどのトップアスリートのような)。
特に私たちの生活のほとんどは、パソコンなどを使った「動かない作業」を中心とした生活へ変わってきています。
「動かない」ことを優先するためには、体をしばりつけて「固定」しておく方が都合がよいのです。
ただ、この「縛りつける」という働きも、無意識ではありますが、常に力を使い続けている状態であり、体にとってはストレス(負担)に変わるため、これが「痛み」の原因になりやすいのです。
また、骨折などのケガをした時には、その部分を動かないように保護するために、
脳卒中などの運動マヒの場合には、力が入りにくくなって支えが弱くなったところを補強するために、このしばり「捻じれ」は使われます。
ですので、体の不調のきっかけは違ったとしても、体の治療にあたる際には、まず、この「捻じれ」(しばり)をほどいていってあげる必要があります。
ですが、ここで難しいことは、1つの部分が捻じれると、その隣り合う部分は、反対方向に捻じり返して、帳尻を合わせようという力も働いているということです。
どういうことかといいますと、1か所の使い方の変化に合わせて、全身に互い違いの捻じれが生じていくということです。
もしも、全身的に一つの方向に捻じれていくのであれば、さすがに見た目でも気づくでしょう。
実際にそのような状況になった場合、おそらくバランスは取りづらくなり、転んだりもしやすくなり変化に気づくでしょう。
ですが、「脳」は、自分が不格好だと感じることも嫌うため、守ることを優先しつつ、「まっすぐっぽい」格好を作ろうと努力します。
ですので、ほとんどの方はこの「捻じれ」「縛り」の状態に気づかず、苦しんでいます。
からだの治療にあたる際には、この「捻じれ」をほどくということから取り掛かることで、劇的な変化が得られることがよくあります。
ご自分でも「寝返り」や、腕・脚を「転がす」ということを繰り返してみると、予想以上に体が楽になったり、なにか変化がみられる方も少なくないと思いますよ。

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