身体の基本は、「休めの姿勢」!
7月 20, 2016 11:55 am
以前から、何回か話にも出てきましたが、
今回は、人間の身体の基本は、「休めの姿勢」という話をしたいと思います。
ヒトの体は、ほとんどの時間、
いえ、絶え間なくと言っていいほど、「休めの姿勢」を選びたがります。
「いえいえ、わたしは仕事も運動も、普段からアクティブなので、
体はいつも、前向きにシャキッとしていますよ!」
とおっしゃる方もいると思います。
ですが、これは人間が本能的に行っている、遺伝子レベルの話なので、どんなに運動を日課にしている方でも、必ず使われている機能なのです。
むしろ、スポーツ中にも積極的に取り入れられています。
骨折などのケガをしたり、脳卒中の後遺症の方、
腰痛や五十肩の方なども、積極的にこの使い方を選んでいます。
なんとなく、大人になって歳を重ねてくると、そのクセも強まってきそうなイメージがありますし、
実際そうですが、、
実は、筋肉の発達していない、赤ちゃんや幼児・小学生なども、
この「休めの姿勢」の固定は、‟積極的に”使って利用しています。
赤ちゃんが歩きはじめる時期は、この働きを全身くまなく使っているんだな、
なんて自分の子供の成長をみながら思っていました、、
ただこれは、遺伝子(脳)レベルで組み込まれている、無意識にプログラミングされている機能なので、
いったんその「休めの姿勢」にハマりすぎてしまって抜け出せなくなると、体の不調・不具合として、
痛みなどの症状が表に出てくることがあります。
要は、この休めの姿勢も使いすぎると、休んでいるのではなく、負担になってしまうということです。
どうして、このような状況におちいってしまうのか?
それは、
人間の体は、昔、4本足の動物だった頃から、2本足のいわゆる「2足歩行」になったことで、前足がなくなりました。
もう少しつけ加えれば、
前足が両手になり、自由に道具を使ったり、ダイナミックに腕や手を使えるようになったということです。
また、脳を発達させていくために、頭をより大きくする必要があったので、4本足で体の前に頭を突き出して動くことが負担になったため、
体(胴体)の上に頭を乗せた状態にする必要があったのです。
「2本足」になったことで、前後で体を支える範囲は極端に狭くなり、
左右でバランスをとる比重が増えました。
ただ、どんなに修練を積んだ武道家やスポーツ選手でも、
左右均等に、バランス(重心)を分けられている人はいません。
それは、体の役割として、
右、左で、
「支える側」と
「動く(使う)側」
に分かれる必要があるからです。
実は、これは「利き手」「利き足」の方が「使う側」になるとも限らないのです。
仕事で、同じ姿勢を取ることが多かったからとか、
学生時代に、同じ方の足首をよく捻挫していたからとか、
いつも同じ方を向いてテレビを向いているからとか、
子供の頃に、お母さんと手をつなぐ方が決まっていたからとか、
突きつめると、生まれたときから決まっているものもあるのですが、、
ただ、その後の生活の中でも、条件や状態で変化する可能性のあるものです。
色々な経験や生活を経て、最終的にたどり着いたのが、いまの体です。
なにか深みがある言い方でもありますが、、
もっとざっくり言うと、色々なことをふくめて、
「なりゆき」なのです!
少し話を戻しますが、
この「休めの姿勢」ですが、
具体的には、どういったものかと言うと、
立った姿勢であれば、
「カベにもたれかかる」姿勢であったり、
子供の頃の「体育の休め」の姿勢です。
イスに座った状態であれば、
「ひじ掛けによりかかった」姿勢。
要は、左右のどちらかに「よりかかる」姿勢です。
この「休めの姿勢」や「寄りかかる姿勢」は、誰にでも左右で、やりやすい方、やりにくい方があるはずです。
それがあなたの、基本的な「姿勢」「構え」となっているのです。
身体のつくりは、ブリキのロボットのように、骨や筋肉もまっすぐになっているところはありません。
ですので、一方向に「よりかかり」が生じると、その方向には傾きだけでなく「捻じれ」も起こります。
この「ねじれ」の「回転」により、体のそれぞれの部分は、
単に「曲がる」「傾く」だけでなく、「回転もふくめて、立体的に(3次元的に)複雑な固定になるわけです。
このねじった固定は、
骨を筋肉で支えるだけよりも、ねじって巻きつくような力も使えるため、その場の支えだけであれば、強さもあり、便利で使いやすい戦略なのです。
体の丸いところ、
例えば、「頭」「胸郭(肋骨)」「骨盤(おしり)」は、
転がるように、特によく動くので、
この「寄りかかり」からの「捻じれ」の固定は、よく使われます。
当院でも、腰かけた姿勢で、
「骨盤(おしり)」まわりは、座ってどちらに横座りするように、休めの姿勢を取ってもらうことで、どちらがその方の「よりかかり」「支える側」かを判別するときに使います。
この「寄りかかり」から、「ねじれ」が生じるのですが、
この「ねじれ」は、全身的に同じ方向へ捻じれていくことはありません。
わかりずらいかもしれませんが、
もし、同じ方向に捻じれていくのであれば、
体は一方向にふり返るような格好になるので、
自分だけでなく、まわりの人がみても、
「妙な格好をしているな?」
と気づくことができますし、すごく居心地が悪く、きゅうくつな感じがすると思います。
脳も、そんなに不格好に感じることは好きではないし、そう見られることも好きではありません。
ですので、自分でも周りに人にも気づきにくい方法で修正をかけているのです。
それは、身体のとなり合う各部分(それぞれの関節など)で、
‟互い違いに”捻じり返しているのです。
これが、見た目的にも、姿勢やバランスをとる際にも、自分や周りの人からも気づかれにくい理由です。
ですが、この捻じれから開放されると、ほとんどの方が、
体が楽になった。
体が開いた感じがする。
呼吸がしやすい。
など実感することができるのです。
ということは、体がきついことには、実は体のどこかで気づいていた。
だけどどうしてきついかの理由はわからない。
長い間、その状態が続いていたので、気づかないくらいに無意識に慣れてしまっていた。
鈍くなってしまっていた。
逆から考えれば、そういうことでしょう。
脳も体も、それくらい適応する(その状態に慣れる)ことには、能力が高いのです。
もう一つ、この体の「捻じれ」をわかりにくくしている理由として、
体の、表面から奥(深層)に向かっていくにしたがって、
「ヒフ」も「筋肉」も「骨」も、その間をつないでいる「膜」や「脂肪」なども、
互い違いに捻じり返しを行っています。
だから、一般的な考えで体をみると、とても複雑なのです。
ですが、この「捻じれ」からの脱出には、効果的な運動があります。
それは、「ころがる」という動きです。
だまされたと思って、
5分くらい左右に「寝返り」を繰り返してみて下さい。
なんとなく左右とも、なめらかに動けるようになって、動きの左右の差も減ったかな、と思えるくらいになったら、
体の状態を見てみて下さい。
全身的に軽くなっていたり、呼吸がしやすくなっていたり、
腰痛が減っていたり、頭痛が減っていたり、、
している方もいると思います!
それくらい「水平方向(体を輪切りにする方向)」の動きというのは、普段の生活では、意識的に使いづらいものなのです。
ですが、そこに動きを入れてあげると、おどろくほど体は楽な状態になります。
ぜひ1度お試しを!
それでも取り切れない症状にお悩みの方は、
当院までご相談ください!

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