だれもどこもわるくない?
10月 23, 2015 6:15 pm
だれもどこもわるくない…
ちょっと言いすぎな気もしますが、からだのことでお悩みの方はだれもが、痛みがあるところ、動きが悪くなったところ、使いづらくなったところが、「悪くなった」と思い込みがちです。
だれでも1度は経験のある「腰痛」や「肩こり」でも、「痛み」がある場所を人は「悪くなった」といいます。
まるで、その痛みの場所が「悪の根源」であるかのように…
わかりやすく言うと、それは「悪くなった」のではなく、単なる「使いすぎ」です。正確にいうと「使いさせすぎ」です。
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「激しい運動や重いものを持ったわけではないのですが?」
そうなのです。
急に起こった炎症などであれば、時間が解決してくれることがほとんどです。
それ以上のひどい損傷やヘルニアなどの状態におちいってしまったのであれば、病院などの専門的な機関で診てもらう必要があるでしょう。
ですが、ほとんどの方はそうではない。
なんだか、いつも同じ痛み、重だるさなどの不快な症状に悩まされる…
痛みの場所は、だいたいが硬くなっているので、ほぐしてやわらかくしてあげるのが一番。
やわらかくなると楽になる。
これは、あながち間違いではありません。
ただ、なにか見落としていませんか?
なぜ、その部分が硬くなっているのか?
運動不足だから? 姿勢がわるいから?
では、よく運動をしている人は腰痛がないのでしょうか?
姿勢がよい人は、肩こりにならないのでしょうか?
からだが部分的に硬くなるのには、理由があります。
しかも、ネガティブな理由ではなく、実は、あえてからだがそうしている、前向きな理由があるのです。
その理由は… 「自分のからだを支える」ために硬くしているのです…
なんとも、拍子抜けな理由でしたか?
それでも、実にこのあたりまえと思える理由に、本当の意味で気づけていない方が、治療者もふくめてほとんどなのです。
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思い返してみてください。
リハビリなどの治療を受けたときに、痛みがある場所を指されて、「ちゃんとからだを支えられていませんね」「この筋肉が弱くなっていますね」などと言われた記憶はないですか?
その硬さがある場所は、「どんなことがあろうともゆるむ気はないのでは?」と思うほど、硬くはないですか?
なんだか矛盾しているように聞こえませんか?
その部分のヒフは、いわゆる「皮」として薄くつまむことはできますか?
その痛みを発している部分は、いままで必死になって、どこよりもあなたのからだを支えてきたのです。
あなたの目的(家事、パソコン仕事、運動など…)を遂行するために、自分(痛くなるほど頑張っている場所)を犠牲にして。
人間のからだは昆虫とちがい、骨格(骨)がやわらかい肉の中にあります。
これを主には靭帯や筋肉で支えているのですが、実は、ヒフ・脂肪組織・コラーゲン線維を固めることでも、支えを補強します。
コラーゲン?脂肪?と思った方もいると思いますが、代表的なものは、女性の天敵「セルライト」がこれです。
言いかえれば、「セルライト」がつきやすい部分は、支えの補強が必要な不安定な場所とも言えます。
一度、その厚くて硬くなったヒフを、やさしくつまめるようになるまで、指ではさんでみてください。
薄くつまめるようになった時、その部分の痛みが軽くなっていたり、動きが軽くなったように感じませんか?
少し脱線しましたが話を戻しますと、痛みの部分の「痛みがある状態」については対処する必要があります。しかし、根本の理由を解決するには、痛みが出るまで「支えの役割をしないといけない」理由を、はっきりさせる必要があるということです。
これはざっくり言うと、その痛みとは「反対側」が、支えることを放棄している、あるいは、支え方をかん違いしていることが、理由の大半です。
ただ、この「反対側」のとらえ方がやっかいで、「右・左」「前・後ろ」くらいならまだわかりやすいのですが、ここに「捻じれ」が組み合わさるため、とても複雑でわかりにくいものになります。
ただし、この複雑でやっかいな状態を解決することによって、今まで味わったことのないような「からだの開放感」を手に入れることができます。
そして、痛みを引きおこしていた、本当の理由を知ることができるのです。
それは、「がんばりすぎた」(「がんばらせすぎた」)ということ。
「捻じれ」や「らせん」の人体構造についての話は、またの機会にさせていただきます。
ですが、いまからだに痛みがある方は、その痛みの部分に対して、「今までがんばらせて、ごめんなさい。」「今までがんばってくれて、ありがとう。」と思っていただけると、その痛みの部分もむくわれるのではないかと思います。
また、それだけでは解決しない「痛み」については、当塾に1度ご相談ください。

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